問題:10段の階段がある。太郎君は一段飛ばしで上るのと普通に上る二種類の動きができる。では太郎君が階段を登りきる方法は何通り存在するでしょうか。ただし、最後の一段を一段飛ばしで上ることは出来ないものとします。
知っていれば計算問題よりも簡単に解けるが、知らないとある程度実力があっても解くのに少し時間のかかる典型問題。一見「場合の数」系の問題に見えるけど実際は…?
大学受験でも稀に出てくる特殊な数列をご紹介します。この数列は「漸化式(ぜんかしき)」という高校数学の範囲の話ですが、性質は小学生でもわかるし、筆者も夏期講習とかで扱った覚えがあるので紹介します。ただし、漸化式の話は小学生にはかなり厳しいので割愛。「算数」であるため、一般項などは記載せずどうやったら答えが出るかだけ解説します。プログラミングをやっていたり(「興味がある」ではなく「書いたことがある」人)公文などで触れたことがある人は各自で調べてね。
解説
階段を上る方法について、一段ずつ考えて7段目まで数えてみましょう(忙しかったら数えなくてもOK)。
段数 1 2 3 4 5 6 7
パターン 1 2 3 5 8 13 21
漏れなく数えられればこのようになるはずです。しかし、このあたりで数えるのが厳しくなってくるはず。本当に数え忘れが無いのか…?と不安に思うでしょう。そこでパターンの部分に注目してみてください。何か気づきませんか…?
その通り、一個前の数と二個前の数の和が求める段数でのパターン数です。
三段目:1+2=3
四段目:2+3=5
五段目:3+5=8
といったような感じで数列ができています。この法則に気づければいちいちパターン数を数えなくて済みます。これを繰り返していけば、
段数 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10
パターン 1 2 3 5 8 13 21 34 55 89
ということで答えは89通り。
自然界にも存在する
この数列に関する値は自然界にも出現します。例を挙げると、
・ヒマワリの種はきれいにできるとフィボナッチ数列の個数でらせん状にできる
・木の枝の本数はフィボナッチ数列に従って増えることが多い
・松ぼっくりやパイナップルのかさはフィボナッチ数列に出現する数になる
というかフィボナッチ数列は自然界によく出現する「黄金比」に深くかかわるのですが、中学以上の知識がないと理解できません。受験が終わって暇になったときに調べてみるといいかも。