「読書嫌いにおすすめする本」って記事を書く過程で妹に「小学生女子におすすめしたい本ってある?」と聞いてみました。色々教えてもらったのですが、「いみちぇん!」なる本が特に凄いとのこと。男女関わらず中学受験生もそうでない子も皆読んでいたそうです。異常事態ですよ!だって中学受験生って大体新潮とか角川みたいな本を読むのが主流じゃないですか。なのにこれ角川つばさ文庫ですよ!?絶対おかしいって!
まぁ読まないで紹介するのもどうかと思うので6巻を読んでみました。一巻持ってないらしいので。
いやぁ…陰を歩き続ける男子大学生が読むにはキツイね…うん…
主人公は小5女子ということで創作だとわかっていても眩しくて読むのがかなりハード。あと6巻からだったので状況や設定を把握するのにも少し時間がかかりました…。しかし小学生がハマるのも納得の出来だとは思います。話を要約するのは…難しいな。途中から読んでいるため全部把握できているわけでは無いので…間違ったこと書いて炎上とかしたら困るし。個人的に「この辺教育によさそうだなぁ…」と思った所だけ書いておきます。
・倫理観の育成
ローファンタジーに分類されるこの作品ですが、禍言と呼ばれるネガティブな言葉を使い続けるとマガツ鬼と呼ばれる存在になってしまうようです。小中学生って平気で「死ね」とか「消えろ」とか「キモイ」とか言う方多いですからね…。小4以上は「フィクションだろ。現実で起きるわけねーじゃん」と可愛くない感想を抱くでしょうが、それ以下の方にはある程度倫理観の育成につながる(脅しという推奨されるか怪しい形だが)と思います。
・漢字の勉強
最初は全部の漢字に振り仮名があって「漢字の勉強になったと妹が言っていたが、こんなの勉強になるのか…?」と懐疑的でした。しかし読み進めてみるとなるほど、確かに勉強になる。漢字を弄ったり、追加することで対象に影響を与える能力を駆使して問題を解決していく所が作品の見どころなんですが、中々レベルが高い。
「モモ!ボクの札、『鬼(おに)』を『鬼(き)』って読んで、同じ読みの愧だよ!『鬼』にりっしんべんの『心』を足した字だ!」
「愧」
!?そっか、『恥じる』っていう意味の『愧』だ!
「鬼」が「心」を取り戻せば、自分の悪行を恥ずかしく思う心、良心がうまれる!
いみちぇん!⑥絶対無敵のきずな/あさばみゆき 株式会社KADOKAWA(2016年7月15日)
「この子たちよく小5でこんな字知ってるな…」とコメントしたら「主人公は辞典読むのが好きなやべーやつだから…」と妹から回答が来ました。辞書読むのが好きな奴なんて塾にもいn…いたなぁ!人間辞書というあだ名がついていた女子はそういえばいっつも辞書よんでたなぁと思いだしました。
あと「ミコトバ道場」なる漢字クイズコーナーが余白を利用して二つほど登場します。こちらもレベルがそこそこ高い。殺陣とか土筆とか出てきて驚きでした。漢検の準2で見たような問題が並んでいるってすごいですね。
でも受験する小6は読まなくね?と思って詳しく聞いてみたら正確には「受験すると公言していた人は小3,4のときに読んでいた」というオチでした。勝手に「小5,6の受験生が読んでいた」と解釈していたこっちが悪いのですが、腑に落ちました。
大体小5ぐらいで読書嫌いの人がハマりそうです。本嫌いの解消にはいいかもしれませんね。
しかし全19巻ってすごいな…。